今回は、最近度々話題となる外国人技能実習制度についてのことを書いていきたいと思います。
外国人技能実習制度の問題は、あくまで日本国内の問題であり、東アジアの問題を扱う当ブログのコンセプトと合わないと考える人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
実はこの外国人技能実習制度の問題は、現在起こっている日韓関係悪化の問題とも関連性があるのです。
外国人技能実習制度には様々な問題点が指摘されていますが、極めて簡単にその問題点を要約すると『最低賃金を大幅に下回るような低賃金で外国人労働者を働かせている』ということになります。
この問題は、日本の労働環境に対する国際的なイメージ著しく悪化させており、先日イギリスの公共放送局『BBC』でも取り上げられ話題となりました。
こういった報道が広がると、日本の外国人労働者に対するイメージの悪化は避けられず、韓国が問題視している日韓併合時の朝鮮人徴用工(募集工)の諸問題に対しても微妙な影響が出てくるのです。
今年の4月から、日本は実質的な移民容認と見て取れる入管法の大幅な改正をしたことは皆さんもご存知のことでしょう。
この法律を成立する際に、ほとんどの識者は外国人技能実習制度を廃止するべきとの意見を示していましたが、未だにこの制度は残り続けているのが現状です。
その理由はなぜなのでしょうか?
昨年に入管法の改正案が議題になった際は、今年の参議院議員選挙対策のため外国人技能実習制度を廃止しなかったなどと言われていましたが、外国人技能実習制度に賛成するのは、外国人の技能実習生を雇う側の雇い主であり、それは人口比率で考えたらかなり少数でしかないものと思われます。
経済の格差が1票の格差に影響することはないので、雇い主側に有利な事案は選挙ではむしろマイナスに働くはずであり、正直なぜ外国人技能実習制度を廃止にしないのかよく分かりません。
そもそもこんな悪名高い制度がある国で外国人労働者を募ってもの、優秀な労働者は集まらないのではないでしょうか?(そもそも移民制度自体に反対という意見は置くとして)
外国人による技能実習生がなければ日本の経済がうまく回らないというのなら、それはそれで仕方ないことでしょう。
奴隷制度がなければ経済が回らないという理由で、奴隷を作り続けることが正しいとは決して思いません。
この指摘について、外国人技能実習制度のことを奴隷制度と呼ぶことは、さすが言い過ぎだと思う人もいるかもしれませんが、以下の厚生労働省の調査結果をご覧ください。
労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した7,334事業場(実習実施者)のうち5,160事業場(70.4%)。
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06106.html– 厚生労働省
これは厚生労働省が今月8日に発表した外国人技能実習生の労働現場の調査結果ですが、なんと外国人技能実習の多くは法律すら守られないような現場で働かされているという実態が明るみとなったのです。
これでは、外国人技能実習制度が奴隷制度と言われても仕方ないと思います。
先日の日本経済新聞の社説においても、外国人技能実習制度の必要性を疑問視しており、この制度は日本内外から非常に大きな批判の声が上がっているのです。
日本は労働に対する規制が甘く、経営陣が好き放題にしている国なんて思われたら、日韓関係の諸問題でも日本のほうが悪いイメージができてしまいます。
現在の日韓関係及び日本と韓国の間にある懸念を考えれば、日本に対する悪い印象を国際社会に与えてはならないのですから、早急に技能実習制度は廃止にするべきだと私は思います。
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