昨日防衛省が公開した海上自衛隊哨戒機に対する韓国海軍駆逐艦の火器管制レーダー照射の映像について、韓国側がいろいろと批判をしているようなので、その批判に対する反論をしていきたいと思います。
まず初めに、今問題の基本となる映像を示します。
韓国側の主張①:『映像では海上自衛隊の哨戒機が韓国艦船の近い位置で低空飛行したことが確認できる』
この問題の反論の前に、こちらの動画をご覧ください。
この映像は、ニコンの『COOLPIX P1000』というカメラの映像です。
現在は一般市場に出回っているカメラですら、こんなにもズームができます。
今回防衛省が公開した映像を見ると、画面上では海上自衛隊の哨戒機が韓国艦船の近くを飛んでいるように感じますが、実際にはかなり離れた位置から撮影しています。
今回公開された映像の3分50秒あたりでは、哨戒機の乗組員がズームアップをすると発言し画面がズームされていく様子も確認できます。
このようにズームや望遠レンズの存在を踏まえると、カメラで捉えた映像で感じる距離などに意味はないということです。
よって、韓国側が主張する『海上自衛隊の哨戒機が韓国艦船の近い位置で低空飛行した』という批判は、具体性を示しているとは言えません。
もし韓国側がこのことを証明したいのであれば、海上自衛隊哨戒機と韓国艦船の真横から撮った写真などを示す必要があります。(遠近法の関係で斜めだと距離が近くに見えたりするため真横でなくてはならない)
そして、そもそも今回のレーダー照射問題が起こった場所は日本の排他的経済水域であると言われています。
韓国海軍に艦船が日本の排他的経済水域に入ること自体は禁止されているわけではありませんが、当然日本には侵入してきた船に対する監視や取り締まりを行う権利があり、海上自衛隊の哨戒機が韓国の艦船に対して行った監視活動は全くもって正当な行為です。
韓国側の主張②:『哨戒機に乗っていた海上自衛官の英語の発音が悪く聞き取れず無線に応答しなかった』
自衛官の英語の発音が悪いのは確かかもしれないですが、そもそもあの映像は公開予定なものではなため雑音が多く、日本語もクリアではありません。
ハッキリ言って、字幕がなければ日本人ですら”日本語”が聞き取れないようなレベルとなっています。
当然、クリアでない言葉を聞けば発音が悪いように感じるわけで、この問題は発音というより録音などの問題に起因しているところが大きいかと思います。
韓国側の主張③:『海上自衛隊なのに無線で「Japan Navy」と名乗っている』
この主張は、日本の自衛隊が憲法の制約により本来は軍隊(Navy=海軍)を名乗れないことを示しているのでしょうが、そんなことを言うのは日本人か日本に対して極めて高い知識を持つ国の人だけです。
日本の海上自衛隊は国際的には『Japan Navy』または『Japanese Navy』として知られており、このことは各国海軍の常識となっています。
当然このことは韓国海軍も知っている話で、『Japan Navy』を否定する韓国側の主張は反論の体を成していません。
韓国側の主張④:『今回の映像はレーダー照射の証拠ではなく海上自衛官の会話を記録しているだけだ』
このことについては、『そんなバカなことがあるか』と一言だけ反論させていただきたいと思います。
韓国海軍駆逐艦によるレーダー照射問題を、安倍晋三首相が政治利用しているという韓国側の主張が出てきましたので、この点についても反論させていただきます。
韓国側の主張⑤:『支持率低下に悩む安倍首相が今回の問題を政治利用している』
まず、NHKが毎月行っている世論調査の内閣支持率推移をご覧ください。
2017年 4月:支持53%、不支持27%
2017年 5月:支持51%、不支持30%
2017年 6月:支持48%、不支持36%
2017年 7月:支持35%、不支持48%
2017年 8月:支持39%、不支持43%
2017年 9月:支持44%、不支持36%
2017年10月:支持37%、不支持43%
2017年11月:支持46%、不支持35%
2017年12月:支持49%、不支持35%
2018年 1月:支持46%、不支持37%
2018年 2月:支持46%、不支持34%
2018年 3月:支持44%、不支持38%
2018年 4月:支持38%、不支持45%
2018年 5月:支持38%、不支持44%
2018年 6月:支持38%、不支持44%
2018年 7月:支持44%、不支持39%
2018年 8月:支持41%、不支持41%
2018年 9月:支持42%、不支持39%
2018年10月:支持42%、不支持40%
2018年11月:支持46%、不支持37%
2018年12月:支持41%、不支持38%
上記の世論調査の結果を見れば分かる通り、安倍政権の支持率は1年以上ほとんど横ばいであり、支持率の低下傾向は見られません。
そもそも日本は、韓国に対する諸問題の動向で支持率が大きく変動する国ではありません。(事実、昨年末から日韓関係において多くの問題が発生しているが、支持率に大きな変動はない)
こういった発想自体が、反日をすれば支持率が上がるという韓国的考えのもと生まれているものであり、日本には全く当てはまらないのです。
念の為、韓国の世論調査機関『R&Search』が調べた文在寅政権の支持率推移も示します。
2018年 8月第1週:支持60.0%、不支持33.7%
2018年 8月第2週:支持55.9%、不支持37.9%
2018年 8月第3週:支持53.8%、不支持39.7%
2018年 8月第4週:支持54.5%、不支持36.7%
2018年 8月第5週:支持54.2%、不支持40.3%
2018年 9月第1週:支持54.0%、不支持41.3%
2018年 9月第2週:支持51.3%、不支持40.0%
2018年 9月第3週:支持52.6%、不支持42.6%
2018年 9月第4週:支持59.2%、不支持34.3%
2018年10月第1週:支持63.2%、不支持32.0%
2018年10月第2週:支持62.4%、不支持32.5%
2018年10月第3週:支持58.3%、不支持33.3%
2018年10月第4週:支持59.3%、不支持35.0%
2018年10月第5週:支持57.3%、不支持37.1%
2018年11月第1週:支持54.2%、不支持39.8%
2018年11月第2週:支持51.0%、不支持41.7%
2018年11月第3週:支持50.3%、不支持43.4%
2018年11月第4週:支持49.0%、不支持45.8%
2018年12月第1週:支持51.5%、不支持43.2%
2018年12月第2週:支持47.9%、不支持47.3%
2018年12月第3週:支持46.2%、不支持49.8%
2018年12月第4週:支持42.9%、不支持52.8%
今年の初めに70%を超えていた文政権の支持率は、6月以降急激に低下し12月には不支持の割合が初めて支持の割合を超えました。
以上の結果を見れば、今回の問題を政治利用したいのがどちら側なのかは、極めて明確かと思います。
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