もし、現在の日本で沖縄県民や北海道民の人たちに対し、地域を理由に日本人扱いしなければそれは差別とみなされます。
日韓併合時代における朝鮮半島出身の人たちに対しては、地域を理由とした差別がなかったとは言えないでしょう。
この地域差別の観点から、朝鮮人の慰安婦問題や徴用工問題を考えてみたいと思います。
従軍慰安婦の制度ができたのは日中戦争が始まった1937年で、朝鮮人に対する徴用工は、1939年7月に募集型で始まり、1944年9月には徴用型(本当の意味での徴用工)になりました。
日韓の併合が1910年ですから、慰安婦や徴用工として朝鮮人が働きだしたのは、少なくとも日韓併合から27年が過ぎていた計算になります。
人間の人生で考えて、27年間がかなりの時間に相当することは想像にたやすいことです。
日本と大韓帝国が併合した1910年時点で1313万人だった朝鮮半島の人口は、1942年には2553万人とほぼ倍増、また平均寿命も大幅に伸びています。
つまり、1930年代後半における朝鮮半島の過半数以上の人は、日韓併合以降に生まれた人で構成され、ほとんど人は日本人として暮らしたほうが長かったのです。(参照:韓国人の平均寿命、70年間で42年延びる)
日本と併合した以上、このような人たちを日本人として扱わないほうが差別的な行為と言えるのではないでしょうか?
では、日韓併合時代の地域差別問題について、慰安婦問題、徴用工問題も含め考えていきます。
慰安婦は、日本本土(現在の日本)、朝鮮半島(現在の韓国・北朝鮮)、台湾などから集められましたが、もっとも多く集められたのは日本本土の女性たちでした。
徴用工は、朝鮮半島では募集型だった1939年7月に、日本本土では既に徴用型で始まっています。
以上のように、慰安婦も徴用工も日本人全体に対して行われた行為です。(慰安婦の問題は別途記事にしなければいけないが、当時のとしては決して酷い方式ではなかった。)
もし、朝鮮半島に住む人に対し差別をしないのであれば、慰安婦も徴用工も、または徴兵制も日本本土の人と同じように行わなければなりません。
現在の韓国の人々は、日韓併合時代に日本本土の人たちから地域差別を受けていたと主張していますが、この主張と慰安婦や徴用工を問題視する主張は、相容れないのではないでしょうか?
日韓併合自体が許しがたい行為だというのなら、30年の間にできることがあったはずです。
日韓併合時代の朝鮮半島において独立運動はあったかもしれませんが、イギリスのスコットランドだってスペインのカタルーニャだって独立運動はずっとあります。
問題は独立運動の大きさですが、当時の朝鮮半島における独立の機運は住民投票を行ったスコットランドやカタルーニャほどではなく、知識層に独立派が多少いた程度で、ほとんどの住民は独立問題に関心がなかったのが実情です。
日本から独立しようともせず、かと言って日本本土との地域差別を受けるのも嫌で、日本国民と同じように慰安婦や徴用工として一部の人が働くことも許さないというのは、さすがに無理があるのではないでしょうか?
現在の韓国の主張は、第二次世界大戦期に自分たちの住む地域だけは戦争に関係なく平和で何の問題も不満もなく生きていきたかったんだと主張しているようなもので、そうできなかったことの責任を戦後73年が過ぎた現在も日本に対して行っているようなものです。
そして実際問題として、韓国政府は2015年に交わされた慰安婦問題日韓合意を2017年に実質的に破棄し、1965年に請求権を破棄した徴用工における日本企業の賠償も、2018年10月に韓国大法院(韓国の最高裁判所)が認めました。
これらの行為は、戦後の日韓関係の根幹である日韓基本条約を破棄しているに近い行為です。
こんなことが国際社会で許されていいのでしょうか?
インドがイギリスに、インドネシアがオランダに、ベトナムがフランスに未だもって植民地時代のことについて文句を言い続け、条約を破棄するような行為をしているでしょうか?
韓国の政府・国民は、もう少し歴史的事実や国際的秩序を考えた行動をしていただきたいと強く思います。
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