日本は韓国へ半導体製造素材の輸出許可を出すのか出さないのか? また出すタイミングはいつなのか?

経済
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日本政府が、韓国に対して半導体や有機ELディスプレイの製造に欠かせない『フッ化ポリイミド』、『レジスト』、『エッチングガス』という3つの化学製品の輸出優遇措置を解除して1か月が過ぎ、日韓関係は大混乱となっています。
韓国側は、あたかも日本が上記3つの化学製品について韓国への輸出を禁止したかのように報道していますが、そもそも日本政府は、これら3つの化学製品を韓国に輸出する許可を出すのでしょうか?それともを出さないのでしょうか?

日本政府は、今回の措置をあくまで手続きの厳格化であり、輸出を禁止するものではないと主張しています。
一方で、輸出管理厳格化の措置がされて以降1か月が経過しても、未だに韓国への輸出許可を得た企業がないのも事実です。
輸出許可の審査は、通常で30日、最大で90に程度の期間が必要との報道が当初されていましたから、もうそろそろ輸出許可が出てもいい頃なはずですが、実際の状況がどうなっているのか一般人には知るよしもありません。

私の個人的な意見としては、上記3つの化学製品について韓国への輸出許可はしばらく出すべきではないと思っています。
以前の記事で書いたように韓国国民へのフォローは必要ですが、現在の韓国政府が行っている日本への対応は極めて悪質で対抗措置すら辞さない構えなため、日本側が折れる形になるようなことはしないほうがいいと考えます。
具体的には、韓国企業の半導体製造が多少止まるぐらいまでは、許可を先延ばしするのが得策と言えるでしょう。

韓国が約70%のシェアを誇るDRAMは、アメリカの大手半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーがある程度代替えできるはずです。
マイクロン・テクノロジーの日本法人であるマイクロンメモリジャパンは、元々日立とNECの半導体事業が統合されたエルピーダメモリであり、日本にもなじみの深い会社となっています。
サムスン電子がシェア1位のフラッシュメモリは、紆余曲折ありながらも経営再建された東芝メモリ(10月以降キオクシアに改名予定)が代替えできます。
いずれも日本に製造工場がある会社なので、今まで韓国が製造していた半導体を日本側で生産することが可能です。
特にマイクロンメモリジャパンの広島工場は6月に1割程度拡張したばかりなので、フル生産すればかなりの生産力があるかと思います。

当然、韓国への輸出をあまり長く止めていると世界の経済が混乱しますし、日本にも韓国からの製品が届かなくなってしまうので、どこかのタイミングで許可は出すのでしょうが、そのタイミングの見極めは極めて大切になります。
これはトランプゲームの7並べと同じようなことで、ポイントとなるカードをどこまで止めて、どのタイミングで出すかが勝負の決め手となるのです。
重要なカードは、早く出しすぎても遅く出しすぎても敗北に繋がってしまうことは、7並べをやったことのある人なら誰でも理解できるかと思います。

もはやこの問題は外交的な勝負(駆け引き)になっているわけで、そうなった以上、日本は勝たなければなりません。
勝負のプレイヤーは日本政府に任せますが、万が一でも負けることのないよう国際的なあらゆる状況をしっかりと見定めてもらいたいと思います。

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